ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

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花の眠り

今日は定休日。
ホンマと二人、工房からの風の準備と庭仕事の予定でしたけれど、
急きょ予定を変更して、護国寺に。
傘をさすほどもなく、けぶるようなしっとりとした秋の日。

20年と10か月前、誕生したばかりのギャラリーショップ(らふとの前身)に、
ご近所に住まわれていたOさんは、お客様としてやってこられた。
折々ギャラリーでご紹介する作家の方たち、
そして、その手から生まれるものと親しくなってくださり、
丁寧にお選びくださるありがたいお客様になってくださった。

0さんを思い返すと、いつも笑顔。
楽しいお話ばかり。
気づけばいろいろなご縁が熟して、
お嬢さんの就職にもゆかりを結ばせていただいたりと、
ずいぶん親しくさせていただいたけれど、
そこには何とも心地の良い幅が保たれていて、
お客様とお店の者の関係なのだけれど、
不思議なくらいすてきにおつきあいをしてくださった。

:::

突然の訃報に戸惑い、涙があふれてしかたなかったけれど、
お別れの場に向かえてよかった。
Oさんにふさわしい、和やかで、清楚で、慎み深く、美しいお葬式だった。
白いバラたちに包まれて、安らかなお顔だった。
そして、3人の、一家を構えられたご子息たちの
哀しみの中にも清々しくさえあった姿や言葉が、
そのままOさんの姿や言葉だと思った。

:::

ほんのかけらのように、何気なく洩らされた近況などから、
私たちの想像を超えるようなご苦労をされたこともあったのだと思う。
けれど、ほんとうにいつも笑顔だったなぁ。
なんの無理もなく。
そのことが、どんなに尊いことだったのか、
もうお会いすることができなくなって、気がつくなんて。


20年と10か月もの間、ずっとこんなにありがたいような
気持ちよいおつきあいをさせていただいたのは、
ひとえにOさんそのものの魅力からだった。
その魅力がなんだったのか、
今日少し見えたような気がした。
それが私たちが、最後にOさんからいただいた何よりの贈り物なのだと思う。

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