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ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

12年を経ての巡り合い

Gallery Nørby
コペンハーゲンにある陶芸を中心としたギャラリー。
(ホームページがないようなのですが、こちらに住所などが)
初めて訪ねたのは、今から12年前のこと。
その時、とても素敵なカタログをいただいてきました。
陶板釉薬の色合いや土の乾いた感じや文様、余白など。
とても気にいって、サイズの合う朱の漆額を見つけて、ずっと部屋に飾っていました。


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ジャーナリストのAさんのお宅ですっかりくつろがせて頂くうちに、
Aさんが
「ここから10分位のところに住んでいる友人のお宅も素敵だから、行ってみる?」
と、誘ってくれました。
急にどこかをお訪ねするのは気が退けて、
どうしような?と少し悩んでもじもじしていると、
Aさんが書斎から一冊のカタログを持ってきたのです。

Anne Flørche
と名前が書かれた陶芸のカタログ。
あれ、どこかなじみのある色調。
ペラペラと頁をめくり、陶板の写真をみていくうちに、それは確信となりました。
「額に入れた陶板の写真と、同じ人の焼き物だ」と。
もごもご口ごもっていると、
鳥肌がたっているのを、Aさんに指摘されて。


Aさんがさっそく電話をしてくださると、その陶芸家のAnneも、ちょうど家にいたのです。
バカンスシーズンでしたから、アポなしでお会いできたのも、ご縁でしょうか。
1時間後くらいに、車で迎えに行くわね、ということで、急きょ、お訪ねすることになったのでした。

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Anneの作品。
やっぱり、とても気持ちのよいもの、私の好きな陶器でした。


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私のデンマークの焼き物の印象は、そうよいものではありません。
日本が良すぎるから。
日本ほど、生活に使う陶磁器を作る作家のレベルの高い国は、ないように思うのです。
デンマークの個人作家の作品の陶磁器は、日本の影響を受けたものが多いように感じました。
それはデンマークでは新鮮に映っても、日本人の眼には(否、私の眼には)
どことなく亜流な感じがしてします。
そんななか、Anneの作品には、私が惹かれるデンマークの家、カラフルな外壁や、扉、
時を経たものが持つ和やかな風合いが感じられるものばかりでした。


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後ろの陶板が作品ですね。
何気に置かれた調味料の瓶もいい感じ。


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オレンジ色の家。


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エントランスの小径にも、陶板が埋め込まれて。



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広やかな家。


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さぁ、どうぞ、と。


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「片隅」好きな私には、心惹かれるカタスミばかりのお宅でした。


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言葉が十分でないぶん、気持ちが通じる、通じない、をはっきり感じます。
Anneとは初めて会ったのに、とても気持ちが通じる時間が過ごせたのでした。
(部屋でずっと作品の写真を見ていたから??)



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こちらは、Anneがプレゼントしてくれたカップ。
旅の間中抱えて、機内へも大切に持ち込んで連れ帰ってきました。

とても車がなければ、行くことも叶わないような小さな町。
約束をしていなくても、会える人には会えるのですね。
デンマークに行くと、どうしてこういうことに巡り合えるのかな。
やっぱり私にとって、不思議の国。
Anneとの出会いの種は、12年前に手にしたのかもしれません。
時を経て、芽吹いたのだとしたら、大切に育みたい、そんな風に思うのです。

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