ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

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三菜さんのちくちく

もう20年以上!!も前のこと。
金沢でひとりの佳人と出会いました。
能楽堂での古楽器のコンサートに出向いた折、
きりりとでもなく、ゆるりとでもなく、
粋すぎず、雅びとも違い、
心地良さそうに着物をまとったわたしより少し年上の女性。
巾着や髪留めも手づくりの着物地で、
ああ、金沢にはこいいう人がおるんや~、、
と心に残りました。

その後、縁あって句会をすることになると、
その女性もやってきたのです。
かなり緊張したことを覚えています。
その日は着物から一転してパンツルック。
それもゆったり散歩に似合いそうな服。
ソバージュ(ナツカシイ名称)の長い髪をゆさゆささせて、
笑う時はおおらかに、けれどみんなが笑っていても、
自分が面白くないとニコリともせず。
倍賞美津子さんと風吹ジュンさんに似た面立ちも手伝って、
自分がしっかりある、オトナの女性だなぁと、
憧れとちょっと畏れを抱きつつ。

吉多三菜(よしださんな)さんとはこうして出会いました。
彼女の句は「手しごとを結ぶ庭」の中の金沢篇?に出てきます。

山鳩の春情ぼんのくぼあたり   三菜

今も春になると思い出す句です。

三菜さんが山育ちで、さまざまな獣もちゃんと捌けるひとで、
そばを育てて打っては食し、野のもの山のものをこよなく愛し、
料理は達人、花を生けては豪快に美しく、
そして着るもの、装うものはほとんど手で作るひとだと知っていったのは、
むしろ金沢から帰ってからのお付き合いの中でかもしれません。

コルトンの館内にらふとがあった5年前まで、
三菜さんの作品展を2年に一度続けてもらいました。
ゆっくり作るペースだけれど、展覧会としての見ごたえも年々深まって。
お客様を交えてとても豊かなやりとりをさせてもらってきました。
わたしもホンマも今も三菜さんの手になった服を愛用しています。
けれど、ギャラリーがお庭に移ったり、ヒナタノオトが始まって、
なかなかいいタイミングで作品をご紹介できずに時間が過ぎてゆきました。

:::

やっと。
三菜さんからの荷がヒナタノオトに届きました。
この冬の初めからやりとりさせていただいて、春に向けてということで。
あんまりうれしかったので、ご案内を。


010309b
柿渋麻アップリケチュニック

010309c
オールドアフリカヨルバ布チュニック
ほかにも・・・
        ・・・

三菜さんは古今東西の布から、心にかない縁あって出会ったもので服や小物を作ります。
画像では生地の感じしかお伝えできないけれど、いわゆる民族調の量産の服とは異なって、
ひとりの手のこまやかな心配りがすべてに行き渡っていて。
三菜さんだけでされる針仕事ですから、数もできないけれど、ご縁をいただた者として、
ヒナタノオトでご紹介できるのがとってもうれしい。

三菜さんからじわじわと受けた影響は大きいと思います。
三菜さんのようになりたかった気持ちと、かなわないからこそ、
自分は自分にできることをやっていこうと思ったこと。
若き日に、こういう前を歩く人と出会えたことは喜びですね。
特に作家活動を進めてきたわけではないけれど、
家族との日々や自らの手の届くことをひたすら楽しく丁寧に生きてきた人。
こういう人には脱帽です。

そうそう、なんでも独学で進める三菜さん。
腕のいいテーラーの職人さんだったお義父さんに
「ずいぶんミシンうまくなったなぁ」
と、ぼそっと言われたのがなんとも嬉しかったのだと、
いつだったか教えてくれましたっけ。

三菜さんのちくちくも、折々ぜひご覧くださいませ。

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