ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

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ひとはけ

高橋朝子さんの個展が始まりました。
初日よりたくさんのお客様にお越しいただきました。
心より御礼申し上げます。

この日。
初日というのに、私はどうしても行きたい、場所がありました。
個展の初日明けに不在なんて、まずしません。
けれど、ホンマユミコと佳代ちゃんに個展をお願いしてこれだけは、
と代官山へと向かったのでした。

ゴールディーのお人形を出版されているすえもりブックスの末盛千枝子さんの講演。
ゴフスタイン、そして仕事を持つ喜びについてのお話です。
朝子さん、ホンマさん、佳代ちゃん・・・にもきっとフィードバックできる、、
と思い、出かけてきたのです。

:::

「芸術には、かなしみのひとはけがある」
たくさんの心に響くお話の中でも、一番心に残った言葉がこれでした。

喜びや希望を表現するのに、ひとはけのかなしみがあるのと、ないのでは、
どんなに表されたものが違ってしまうことでしょう。
そして、それは、ヒトハケ、なのですね。
強くても浅すぎてもなく。。。

かなしみ、の姿を見せることはできないけれど、
それをひとはけ、注せることができるものが、人の心を打つのでしょうか。

ヒナタノオトに戻って、朝子さんの作品にあらためて向き合ったとき、
なぜ、私がこの個展を開きたかったのか気づきました。

ここにも、かなしみのひとはけ、
たしかに灯っていたのでした。


natu

やっと巡り合えた本を抱えて帰りました。
ことり文庫さんから買えたこともうれしく。。。

:::::

かなしみ。
は、ひろくて深い意味があると思います。
悲し、哀し、愛し・・・。


:::::

たくさんのお客様にまざって、今取り掛かっているデンマークの本の編集をしてくださる
Wさんが来てくださいました。
朝子さんの作品を見たかった、と。。

ゆっくり味わうように見られたあとに、書き終えたばかりの最終章をおそるおそる?
お渡ししたのです。
今までのものとまったく変えたので、それがどうなのかを、見ていただきたくて。

・・・Wさん、はらはらと涙を浮かべてそれを読んでくださったのでした。
驚きました。
それは、わたしの文章が泣かせるものであった、と言いたいのではないのです。
編集者として、原稿が本になっていく実感を味わって、
それが涙になっていたのでしょうか。
思いもかけない涙に触れて、もったいないような気持でいっぱいになりました。

かなしみのひとはけ。
末盛さんのように明解な言葉にできなかったのだけれど、
デンマークのヒュッゲについての本を書きながら、
ずっとそのことをこそ思いながら書いてきたような気がします。
難産の(まだ生まれてきませんが)本ですが、
それはきっと文章のトーンが定まらなかったのです。

軽やかでありたいけれど、軽くなく。
思いに対して正確であっても、硬くなく。
辛いこと、暗いことも避けないけれど、繰りごとにならないように。
そんなこんなで、ぐるぐるになっていた時がありました。

Wさんが編集者として伴走してくださってから、たしかに雲が晴れていって、
気づけばあんなに一時、苦痛だった原稿書きが、喜びになっていました。
そうして形が見えてきた原稿を、涙を浮かべて読んでくれる人が傍らにいました。

Wさんのように。
私も誰かの伴走ができるでしょうか。。。

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