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ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

作品の説明

嬉しい、というか、手応えのあることのひとつに、
作品のことを深く聞いてくださる方が多いことがあります。

素材のこと。使い方のこと。

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説明って「売る」ためだけにしているのではないのです・・。
的確な情報をお伝えして、選ぶ方に正当な判断をしていただくように。
そして、選んでくださったあとに、よりよく使っていただくために。

セールストークと適切な説明は、紙一重ですけれど、
紙一枚の違いは大きいって思っています。
過不足なく伝えられることを・・・。

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竹。
竹は日本人に身近な素材だったのに、いつの間にか疎遠になってしまったかもしれません。

うちの尚さんが編んだ買い物籠。
どうしてこれは青いのですか?
と、よく聞かれます。

竹には切り時というのがあります。
地下が春になると、ぐんぐん水分を吸って栄養を蓄えます。
そうすると、その養分をめがけて虫が食うのですね。
なので、冬の間に切るのです。

尚さんの場合、裏山で切ってすぐにヒゴにして編んで行きます。
一方、分業ですと、切って保管をして一年中編むのですね。
保管のために、油抜きをします。
昔は灰汁でやりましたが、今は苛性ソーダで。
そうすると、最初から薄茶色なわけです。

流通の事情というのもあります。
青も茶も美しいと思うのですが、変化していく過程では販売の現場で
売りにくい面があるようです。
一般的に、売り場でどのスタッフもが説明を出来るわけではないために、
最初から油抜きをして茶にしてしまう。
ということも。

青竹のまま編んだものから、ゆっくり色が退いて、
使い込むほどに飴色になっていく。
これが自然なのですね。
無駄な油抜きもしないので、竹にも負担がかかりません。

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尚さんの場合は、煤竹といって、民家の解体に立ち会って、
囲炉裏の煙に燻された竹を入手してきますので、
その飴色の竹も底に使っています。
煤竹。
200年から400年くらい煙で燻されていますから、
金属のような硬さになっています。

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わかりにくいのですが、煤竹色に染めたもの、青く染色したものも、
安価なものにあります。
染料の安全性はどうなのでしょう。
なにより染めていることが、はっきり伝わっていないことも
不透明な気がします・・・。

ほんとうはまだまだ奥深い竹のお話しもしたいのですが、今日はこのへんで。
(竹の文化史、面白いです!)

他にも陶磁器のこと、漆のこと、布のこと・・・。
わかることはぜひお伝えしていきたいし、わたしも益々、
暮らしに生きる知識を得たいと思っているのです。

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