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ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

糸暦

森文香さんの作品展、あと3日となりました。
土曜日と月曜日(16時まで)、文香さん在廊くださいます。
ぜひ、お出かけくださいませ。

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はっとするような一瞬を捉える文香さんの写真。
一部、作品紹介に掲載させていただきます。
(ブログ「石のうた」より → 


250413b


菜の花のむこうに

文香さんの黄色。
とても品がよくって、元気の出る色。
この黄色メインの作品のほか、シックな色合いの作品にも、
効果的に黄色が使われています。

黄色、なんだか今の気分ではないですか?(私だけかしら??)



250413a


雨をたぐる


雨、を、たぐる、とは、言い得て妙ですね。
静かで、躍動感のある布は、まとった人を落ち着いた華やかさに彩ってくれるようです。


250413c


さくらのうつろい


爽やかなギンガムチェック。
実はとっても複雑なグラデーションに織り上げられています。

若い方もですけれど、むしろ齢を重ねられた方に似合うのでは!と。
文香さん静かに弾む心模様が綴られたような作品です。


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文香さんは、布にそれぞれ素敵な言葉を寄せて、タイトルとしています。
私は、文香さんがそれをされることが、
とってもすばらしいことだなぁ。
と今回もあらためて思いました。

一方、先日、今年の「工房からの風」の出展者のある方とミーティングをしていて、
文香さんのことを思いました。

その染織の作家は、単色で平織り、紡毛と手紡ぎと両方するけれど、
一見、機械で織られたかのようにクールな布なのです。
タイトルもタグさえも付けずに、ただ自分の世界観を柱に、
織り上げた作品を作品群としてみたとき、そこには圧倒的な存在感がありました。
存在感、というのは、その作家ならでは、というもの。

その時、一見、間逆なアプローチなのに、文香さんと通じるものを感じたのですね。

潔さ。
と言ったら、いいでしょうか。
文香さんの布に寄せた言葉には、潔さを感じます。
それは、強い、という意味ではなくて、真に迫ろうとしている心の持ちよう、というような。

また、こんなこと書くと、文香さんは後ずさりしそうですし(笑)、
言わずもがなではありますけれど、
ただ、布に言葉、タイトルが付いていて、素敵です、というのではなくって、
布と言葉がひとつの世界観を作っている、その存在感(文香さんならではのもの)
とこうして出会えることが、ほんとうにうれしい!ありがたいなぁと思ったのでした。

もちろん、そんなこと考えなくっても、作られたもの、
そのものを喜んで感じてくださる方との出会いの場となれれば、
私たちはうれしいのですが!

あと3日間、空色の扉の中でお待ちしています。

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