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ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

工房探訪

「思想工房」などとカテゴリーに名づけながら、
なかなかこちらに綴れずにおりますが、
日々、ぐるぐる、ぐるぐる思考を続けています。
というより、続けざるをえない日々を送っている、
そんな感じです。

本作りの柱の企画として、20の工房をお訪ねすることにしました。
これで16工房を訪ねたところ。
北は盛岡から西は岡山。
月末には北海道にも向かいます。


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今の気持ちとしては、
ああ、私ってわかっていなかったんだなぁ。
ということ。
そして、今も、けっしてわかってはいない、
ということ。
それくらい、作家とか、作り手とか、工芸とか、もの作りの世界って
表面的には凪いだ海面のようでいて、
その海中では、実に絡み合って、うねりあっているんだ、と。

人の話を聞く、ということは、自分に気づくことでもあるんですね。
この工房探訪を始めた5月より前の自分には、もう戻れない感じです。
うねりあった海中から、自分の進むべき潮目を見出すために、
探訪、そしてぐるぐるテツガクを続けているのでしょうか。

工房からの風も、ここヒナタノオトも、この本作りを終えたあと、
明らかに変化していくような気がします。
それはきっと必然のことで、今がそのタイミングなのでしょう。

と、読んでくださった方には、さっぱりわからないような抽象的な話でスミマセン。

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なので、ひとつ具体的なお話を。

本作りの中では、お訪ねした作家との会話から、
1つ2つ印象的なフレーズを灯し、それを中心に書き綴っています。

ある作家の方の言葉に、、
「自分がうまくいかなかったとき、
もう一度手をつないでくれるかどうかが、
そのギャラリーとつながっていけるかの鍵…」
というようなフレーズがありました。

よかったときに、よかった!よかった!
というのは当たり前だけれど、
ついしくじってしまったとき、
見放さずにもう一度手をつないで、機会を作ってくれる人や
ギャラリーとは、心からつながっていけると。

ちょっと、ドキッとしました。
自分にそれは出来ているかな、と。
仕事であって、お互いが真剣なのだから、
相手の失敗は自分にとっても厳しいもの。
それでも、もう一回手をつなごうという気持ちにがあるかどうかは、
自分の器の大きさが問われるような気がします。

そして、それは相手をちゃんと惚れているか
ということでもありますね。
(惚れる、が的確でなければ、リスペクトしている)
惚れて溺れてはいけないでしょうけれど、
いろいろなことも包み込めるほど
惚れるような相手と仕事をしたいものです。

と、このことは話の流れ的には、
本には書かないような気がするのですが、
ここに書き留めておこうと思います。
このことって、仕事だけではなくて、
日々の人とのつながりの中でも言えることだと思って。

あと4つの工房探訪から、どんなテツガクが導かれるのでしょうか!?

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