ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

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約半年ののちに

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靴制作の稲垣哲、秋の新作づくりに励んでいます。

左は先日ご紹介したもの。
右は同じ木型でディーテイルを変えたもの。
押し縁の有無や、つま先側の返りのよさ。
内側の革の一部をブタ革にすることで通気性をよくしてみたり。
サイズは同じ23.5cmですけれど、印象かなり違います。
合わせる服も違ってきますね。


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靴ってほんとうに奥が深い。。。
私もこの春からいろいろ学ばせてもらっています。
靴観、変わりますね。。。

一言に靴と言っても、用途でいろいろなんですね。
ひとりの作り手が時間をかけて(というか、誠実にやってもかかってしまう)
作るので、当然量産より価格が張ります。
それでも作る意味があるものを作らないと、
今日現在、人の手で靴を作るという意味が生まれませんね。
量産のもので、よい靴はたくさんあります。
単なる贅沢品というのではなく、作り手が作る靴を履くって、どういうことだろう。


「きっちり足に合った靴さえあれば、
じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。
そう心のどこかで思いつづけ、
完璧な靴に出会わなかった不幸をかこちながら、
私はこれまで生きてきたような気がする」


須賀敦子さんのユルスナールの靴より。

日々いろいろな場面を生きて行く中で、
折々に合わせた靴を選んで履く。
けれど、じぶんの真ん中の道を歩く時、
この靴を履いていれば大丈夫。
この靴と一緒でいれば、安心だ。
という同士のような靴。
自分を導き、自分の姿を映してくれるような靴。
そんな靴は、きっと作り手から生まれた革靴なのかもしれない。

幸せなことに、好きな靴はたくさん持っているけれど、
そんな風に思える靴とはまだ出会っていない。
革靴だから、最初からぴったり、ではないかもしれないけれど、
履き続けるうちに自分の足とすうっと馴染んでくれるもの。
でも、履き続けるに値するには、素材の良さと丁寧なつくりが必要だろう。
せっかく馴染んだときに、消耗しきっていてはむなしいから。

移転してのリニューアルオープンよりやがて半年!
たくさんのお客様に見て、履いていただいたことで、
この作者も早くも次の扉を開くことができるように思います。
一足一足をより丁寧に。
履き手の方の期待に長く応えられるような靴づくり。

作り手は技術を磨くと同時に、哲学も育まねばならないのでしょう。
さあこれから。
どんな靴が生まれてくるのでしょうか。

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