ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

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葛の花

一見地味な花だけれど、
実は濃密な色と香りをもつ花、葛。
蓮、葛、曼珠沙華、、、どこか通じる美しさのある花。
これも好きな花の一群です。


080911a



葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり 
                 
釈迢空の歌。
この季節、いつも心の中で調べを繰り返します。

この歌にひそませた意味はさまざまにあるようだけれど、
一番ストレートな(表向きな?)解釈で言えば、
誰かが踏んだばかりの葛の花の鮮やかな赤紫が
道にしるされている。
こんな深山へ向かう山道を、今、歩いた人がいるのだ。
というところだろうか。

その解釈、意味自体も心を打つけれど、
意味、だけであれば、こんなに心に残りはしなかっただろう。
それは、意味を超えて、調べに魂が宿っているから。
磨きぬかれた日本語であるから。

:::


魅力ある工芸にも同じようなところがあるかもしれない。
用途として意味のあるものはたしかに必要とされるだろうけれど、
ものとして愛されるものは、ただそれだけのものではないと。

使い勝手のよいものより、
使い心地の良いもの。
そんなものを、きっと私は求めている。


:::

言葉の世界に惹かれ、それを仕事にしようと思いながら、
気づけばこの世界にいた。
意味を超えた言葉の魅力、言葉のおいしさに触れたかった気持ちと、
用途を超えたものの魅力、もののおいしい姿に触れたい気持ちは、
一緒だったのだと。

葛の花 踏みしだかれて・・・・

その艶やかな言葉のように、
見て、触れるだけで心が喜ぶようなものに会いたい。

そんな風に感じるのも、
秋、なのですね、きっと。

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