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ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

卯の花

鴨川の家への往復には、緑豊かな山道も通ります。
早春のきぶしに始まり、黒文字、あけび、山桜、
やまぶきほろほろ、山法師もほろほろ、
泰山木やホウの木のたっぷりとした白い花に驚き、
車中から季節の移ろいを喜び、時に車を停めて深呼吸をしたりします。

今週は、卯の花。
空木、ですね。
茎のまん中が空洞なので、空木。
その白い花が、山々を撫でるように揺れていました。




卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて
しのび音もらす
夏は来ぬ

(佐佐木信綱作詞)

 
この季節、必ず口ずさむ歌。
私の子どもの頃は、カネボウ絹石鹸のコマーシャル!で歌われていたので、
よく覚えているのです。
(30歳のスタッフは知りませんでした!)

当時はその意味がほとんどわからなかったのですけれど、
今は、しみじみ美しい日本語だなぁと、言葉を味わって。

匂う、という単語も好きですし、
はやもきなきて、という音(おん)、調べも。
鳥の鳴き声を、しのび音(ね)もらす、
と感じる心の繊細さ。

ああ、日本語を味わえて幸せだなぁと思います。

:::

空木といえば、金沢で暮らしていた時、
この季節に、関東では見なかった鮭肉色の花を山でよく見かけました。

タニウツギ。
もう何年見ていないでしょう。
北陸の方、今年の谷空木もきれいに揺れているでしょうか。

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