ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

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漕ぎだした靴

稲垣哲の靴をようやくご紹介させていただくことができました。


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お顔はこんな感じです。


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横の姿です。


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私も履いています。


:::


身内なのでここでどう呼ぶべきか迷うところですが、
次回からは一作り手として他の作家の方と同じように、
稲垣哲さんと呼びましょう。
今日は、出品以前のご紹介なので、彼ということで。

さて、彼が靴制作に進みだして何年になるでしょうか。
実際に修行に専念してから2年半くらい。
昨年の秋まで、私はその様子を静観していました。
ものづくりで生きていくひとたちの心豊かさを日々実感するとともに、
その道で進んでいけるようになるまでが、
けっしてたやすいことではないことを、私なりに知っているからでした。

そして、ものづくり、といっても、価値観はいろいろですね。
ものづくりに対しての私の価値観と、彼の価値観が同じかどうかはわからないし、
この世界が長い私が、
先入観を持たせてしまうのもよくないことと思ったのでした。
(それでは、「実生」の仕事にならないですものね)


:::


修行を続けながら、いよいよ芽を出そうというとき、
思い切って、初めて靴づくりへの思いを尋ねてみました。
驚きました。
彼の想う靴、ものづくりが、私が想うものととても近かったので。

靴は履くための道具だから、道具として満たされなければならない。
そのためにはもっと技術を高めたいと、ひとつ修了した修行先から、
靴作りの名人といわれる先生の門をたたいて通っていること。

手作りの靴なのだけれど、姿や表現形がいかにも手作り、
というのではなく、
結果として、手作りでなければできない仕事の跡が、
手仕事ならではの印象を与えるものであるように。

そして、いわゆるコンフォートシューズづくりが目的ではなく、
履く人がきれいに、姿よく映る、素敵な靴が作りたいのだと。

(具体的に彼が好む靴のテイストを聞きだして、いっそう納得しました。
たとえば、マー○レットハ○エルの服と合うような、などなど)

修行に専念したのちに、靴のことをさまざまな角度から知りたいと、
リペアの仕事を続けている最中の秋の日。
その仕事も大切だろうけれど、
そろそろ「作る時間」をもっと作るべきなのでは、
そう彼に投げかけました。


:::


さて、今回のデビューにあたり、まずこのスリッポンタイプの靴を
揃えることにしました。
青色と、マロンブラウン。
21.5㎝~24.5㎝
(現在店頭には、青の21.5 22.5 23 23.5 24のみ。
13日(日)にマロンブラウンの幾つかのサイズが加わる予定です。)

たくさんの靴を作ってきましたから、一通りのことは出来るでしょう。
けれどあせらず、履いてくださる方のご意見を伺いながら、
ひとつずつ定番を増やしてゆけるように。

そして、より心地よく履いていただけるために、
微調整などのご相談には、積極的に応じていきたいと。
リペアの仕事で学んださまざまな臨床例が彼の財産ですね。
たとえば、中敷一枚を入れるだけで、ぴたっと履き心地がよくなったり。
細かな対応ができるようになったみたいです。

(21㎝+αで外反母趾という靴探しに困難を極めるホンマユミコも、
さっそく採寸してもらっていました・・
尚、ヒナタノオトの他の作家の方と同じように、
技術を提供する職人という方向ではなく、
デザインも含めた制作をしていくために、
デザインからの完全オーダーは行わないことは、どうぞご理解くださいませ。)

:::

このスリッポンタイプの次には、ベーシックな紐の靴。
夏にはサンダル。
秋にはブーツができるように。

ベースのかたちはシンプルに。
ディーテイルには遊び心を。
良質な革で、色はちょっとヴィヴィッドなもの。
何より心地よく履けて、素敵に映る靴。
あせらず、じっくり確かに作ってほしいと思います。

稲垣哲の仕事は、今はじまったばかり。
試行錯誤の連続もあるかと思いますが、
今ある技術を精一杯に生かし、もっと高め、
出会った方々からの声に耳を澄ませて、
履く方に喜んでもらえる靴作りに励んでほしいと思います。


月に何回か、ヒナタノオトでお客様のシューフィッティングもできればと思います。
まずは今度の日曜日に納品に来る予定。
お時間が合いましたら、ぜひお出かけくださいませ。

:::

まあ、どうでもよいことですけれど、
最近このブログを訪ねてくださった方は、彼ってどういうこと?
って思われますよね。

彼と言っても、カレシではありません。(笑)
稲垣家の長男、てっちゃんでした。

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