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ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

アリンゲの町に着いて

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到着二日目。
早朝、sasホテル前から出るバスに乗り込む。
今回利用したのは、バス+ボート。
今までは、飛行機か、夜行フェリーか、バス+フェリー。
数年前からこのバス+ボートができて、ボンホルム島のメインタウンRønneではなく、
なじみの町Allingeにダイレクトに到着できることを知りました。
(しかもリーズナブル)

小さなボートなので、海が荒れると欠航するようですが、
夏のバルト海は湖?のよう。
揺れもまったくなくて、バス二時間+ボート三時間の旅は、瞬く間のことでした。


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心のフルサト。
Alingeの港に到着すると、約束もしていなかったのに、
フェーバー先生が迎えに来てくれていました。
思ってもみなかったので感激!です。
こうして今回の島での時間が始まりました。
(拙著「北欧の和み‐デンマークの扉を開けて」の中に出てくる
彫金の先生です。)

・・・と、ほんとうに感激のハグのあと。。
何やら、食指が動く人の気配・・・。

港でいきなり、のみの市!!

まだデンマーククローネの感覚もなじんでいないうちに
のみの市とは危険(しかも初日)ですのに、
いきなりエキサイトしてしまったのでした。
(なんでも、夏の期間、週に数日開いているのだとか・・)

ぐるりと一巡して、気持ちを抑えつつも、ソースパンやキャンドルホルダー、
カトラリー、おばあちゃんの手編みの手袋などを入手。

特筆はこれ↓(画像もこれしか撮っていませんでした)


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中世っぽい、麻の給仕用の被り物。
このおばさまが、縫ったのだそうです。
あんまりかわいかったので、ひとついただきました。
食べ物ワークショップの時に被ろうと!


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ボンホルム島には、素敵な円形教会があります。

Østerlars(エスタラース) 、Olsker(オルスカ)
Nylars(ニュラース)、 Nyker(ニュカー)
と4つ。
そのどれもが素敵で、それぞれ機会を得て訪ねましたが、
Olsker の円形教会に連れて行ってくれたのは、現地に30年以上暮らしていた
「ユウさん」でした。

「ユウさん」も、北欧の和みの中に登場しています。
私にボンホルムのホイスコーレを勧めてくれた人。
実は「ユウさん」は実名から引いた呼び名ではなく、
職業も画家ではなく、彫刻家なのです。

ユウさんには、たくさんたくさんお世話になったのですが、
今回お会いすることはできないのでした。

その日、フェーバーにまずれて行ってもらったのが、
オルスカの円形教会。


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この美しい教会のふもとの墓地に、「ユウさん」は昨年から眠っているのでした。
お参りをしたこの日、フェーバーが教会の方に尋ねると、
間もなく墓石が据えられるとのこと。
石の彫刻家だった「ユウさん」の作品が、きっと据えられることでしょう。




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これは、同じ墓地にあった私がとても好きなデンマークの墓石。
小鳥が墓石の上で、名前に向かって囁きかけているよう。

現地ではポピュラーなタイプなのでしょうか。
時々見かけます。
静かで、安らぎを感じさせてくれる佇まい。
そして、胸が締め付けられるような想いになるのはなぜでしょうか。



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Alingeの町。



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童話的で、現代的でもある像。



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ああ、なつかしや、フェーバーの家。
ボンホルムとの縁はすべてこの家を撮った写真から、結ばれていったのでした。



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さりげに、こんな片隅もステキ。



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おお!大きな金魚。
日本好きなフェーバー、日本庭園作りを進めていました。
(羅生門、と書かれた門があったのには、オドロキ)



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2002年に夫N氏と共に訪ねたとき、N氏が贈った竹を使って、
鹿威しも作っていました。
相変わらず、なんでも作ってしまう、魔法の手の持ち主です。
こののち、ボンホルムのクラフト協会の展覧会と、ろうそく工房へ。


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ユウさんを本名で書かなかったのは、この本を執筆中に
ユウさんが厳しい闘病中だったことを知って、
プライベートに関わることに触れるのに、躊躇があったからでした。

61歳。
短すぎる人生ですが、思うままに進んできた人生には、
華やかな時がたくさんありました。


「こんなに広い世界の中で、
あなたに会えて、とってもうれしい」


ユウさんと偶然出会えた年のクリスマスカード。
こう印刷されていたカードを見つけて送ったこと。
今もそのままに思います。

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