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ヒナタノオト工芸帖

日本橋小舟町の工芸ギャラリー・ショップ「ヒナタノオト」の作品ノオト

富井貴志・木工の仕事

展示搬入の日は、楽しく、弾む気持ちが勝っていたけれど、
今日一日作品とじっくり向かい合ってみたら、
じわじわっと響いてきた。

まるで、静かな音楽のよう。
けれど深い音。

丸い盆。
四角い板皿。

ただそのものを作るために、作家はどれだけ自分を映すことになるのだろう。

薄味にこめられた滋味深さ。
その味わいを感じ取り、それを求める使い手の方が、
こんなにいることの驚き、喜び、
そして、自分の舌をもっと磨きたいと願った。

長く使われるためのもの。
そのものに与えられる美しさって何だろう。
そんなことを、真剣に考えました。
こういう真剣、がうれしい。

富井さんの木の器。
とてもいいです。

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作り手の言葉

いわもとさんと垣本さんの展覧会初日。

垣本さんがいわもとさんの作品に向かって発した言葉。

「ひとつとして、無難なものがないですねー」

いわもとさん、

「そっくり、その言葉お返しします~」

:::

凛として、には、こんな潔さが潜んでいたのですね。
なるほどたしかに、「無難」なものがなかった。
使う人を慮るのと、使う人に媚びるのは、似て非なり、ですもの。

とはいえ、無難に作ってしまいたくなるのもわかるのです。
誰かに選んでほしい、使ってほしい、と思って作られたものだから。
でも、やっぱり、無難、に作ったものは、結局選ばれなかったりする。
選ぶ人の目ってすごいなぁ、といつもほとほと思うのでした。

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